「地下鉄サリン 救急医療チーム 最後の決断(プロジェクトX)」

「地下鉄サリン 救急医療チーム 最後の決断」―再生の息吹を聞け プロジェクトX~挑戦者たち~NHK「プロジェクトX」制作班 NHK出版 2012-07-31by G-Tools  テキスト版プロジェクトXです。  108円という安さと37ページという薄さ(電子書籍なので物理的には薄くないけど)のわりに、読み応えは抜群でした。  1995年に発生した地下鉄サリン事件で、最も多くの被害者を受け入れた築地の聖路加国際病院。  本書は事件当日の聖路加国際病院の医療チームの活動の記録です。  聖路加国際病院は明治時代に創設された歴史ある病院ですが、1992年に改築し…

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「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」

貴様いつまで女子でいるつもりだ問題(幻冬舎文庫)ジェーン・スー  女子を自称していいのは10代まで! 百歩譲って20代前半、ただし学生に限る!  と、女子会だのオトナ女子だのという言葉を目にするたびに思う私は、このタイトルを見た瞬間、「そうだそうだ!」と叫びながら拳を突き上げました、心の中で。  しかし、著者のジェーン・スー氏は私なんぞよりずっとずっと懐の深い人でした。  自称女子たちをディスりつつも自身にも女子魂が存在することを認め、「女子」に理解を示すのです。  女子女子言ってる人も自分がそんな年齢じゃないことは自覚しているけれど、彼女たちが言う「女子」は年齢で…

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「動物の値段 満員御礼」

動物の値段 満員御礼(角川文庫)白輪剛史  動物商であり、現在は爬虫類・両生類専門の動物園「izoo」の館長でもある著者が動物の値段を記した「動物の値段」の第2弾です。  前作と同じく、今作も「ワシントン条約」が読む上での重要なキーワードになっています。  ワシントン条約は動植物の輸出入に関するルールですが、知らなくてもまあ大丈夫かな。読んでいるうちにだいたいのことは自然に頭に入ってくると思いますが、「附属書I~IIIがあって、Iが一番厳しい」程度の予備知識はあったほうが理解しやすいかもしれません。  輸出入の制限絡みで興味深かったのはホッキョクグマ(ワシント…

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「慟哭の谷」

慟哭の谷北海道三毛別・史上最悪のヒグマ襲撃事件 (文春文庫)木村盛武文藝春秋 2015-04-10by G-Tools  1915(大正4)年 12月、北海道苫前村三毛別で発生した熊害事件について詳細に調査し、まとめられたのが本書です。  死者8名、重傷者2名の大惨事となったこの事件は小説にもされていますし、市街地に出没したヒグマを駆除したというニュースが流れたときなどには、ネット上では必ずと言っていいほど目にします。  昨年は事件発生から100年目にあたり、テレビで特集なども組まれたらしいので(私は見ていませんが)ご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。  私も…

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「殺人者はいかに誕生したか」

殺人者はいかに誕生したか「十大凶悪事件」を獄中対話で読み解く (新潮文庫)長谷川博一新潮社 2015-03-28by G-Tools  臨床心理士の著者が凶悪事件の犯人と面会や手紙のやりとりを重ね、なぜ事件は起きたのか、なぜ彼らは殺人者になったのか、を探っていきます。  取り上げられている10の事件のうち、8件は私も知っている事件でした。たぶん誰でも知っていると思います。  最初に書いちゃうと、タイトルの「殺人者はいかに誕生したか」の「いかに」の部分が充分に説明されているかと言えば、否と言わざるを得ないと思います。  理由はわりとはっきりしていて、それ以上の話が出来…

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「植物はすごい - 生き残りをかけたしくみと工夫」

 現在、我が家で育てている植物は、カシワバゴム、ドラセナ、ポトス、アリッサム、イタリアンラベンダー、花かんざし、ダイアンサスの8種類。  カシワバゴムとドラセナはかれこれ20年近く、ポトスも10年以上の付き合いです。  そんな植物たちを育てていてたびたび思うのは、「植物ってホント凄い」ということ。  つい最近も、葉を一枚も残さずに伐ったゴムの木から葉がわさわさ生えてきたことで凄さを実感したところです。  その私の気持ちを代弁しているとしか思えない本書のタイトル。書店で見つけて即買いしてしまいました。  内容は、何とな~く知ってたことから全然知らなかったことまでいろいろ。…

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「遠野物語remix」

遠野物語remix付・遠野物語(角川ソフィア文庫)京極夏彦・柳田國男  行きつけの美容室に持って行って読んでたら、 店長 「今日は何読んでるんですか~?」 私 「遠野物語だよ~」 店長 「ああ~、河童のやつ?」 私 「だいたい合ってる」  こんな会話になりました。  でも、そんなに河童河童してないよ!  遠野にいるのは河童だけじゃないのです。なんか、いろいろいる。いろいろ。  そんないろいろな伝承を集め、編纂したのが柳田國男先生。そして、それを現代語訳し、読みやすく並べ替えたのが京極夏彦先生というわけです。  これを読んでると、伝承…

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『単純な脳、複雑な「私」』

単純な脳、複雑な「私」(ブルーバックス)池谷裕二  面白いよ~と夫に勧められた一冊です。  脳科学には以前から興味津々だけど講義録とか難しそ~、と最初は二の足を踏んだのですが、高校生相手の講義だから難しくないよとのことで読み始めました。  そしたら、面白い!  論文調の堅苦しい書き方は読んでて眠くなっちゃうけど、喋り言葉がそのまま(完全にそのままではないだろうけど)活字になってるのもどうよ? というのも気がかりな点だったのですが、思いのほか違和感がありませんでした。  臨場感を覚えるほどでもなかったけど、意外と読みやすかったです。  タイトルのとお…

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