「荒神」

荒神 (新潮文庫)宮部みゆき  徳川綱吉の治世。  陸奥の南方で反目しあうふたつの藩。  物語は香山藩と、その隣の永津野藩を行き来しつつ進んでいきます。  香山藩仁谷村の少年・蓑吉が夜の山道を駆けているところから始まるのですが、これが地味に怖い。  夜中に起こされ、走って逃げろと言われた蓑吉。  家の外からは悲鳴が聞こえてくる。  とにかく言われるままに逃げたけれど、何が起こっているのかはわからない。  読者も蓑吉と同じ立場で暗い山道を走らされるのです。やめてこわい。  そして、途中で逃げてきた村人に出会うのですが、その人も「あんなも…

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「開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―」

開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―(ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4)皆川博子  18世紀のロンドン。  外科医が内科医より一段低く見られていた時代。  解剖学は最先端の学問ながら世間からの理解は得られず、私的解剖教室を開いている外科医ダニエルは「もっと屍体を」と嘆く日々。  タイトルの「開かせていただき光栄です(dilated to meet you)」は「お目にかかれて光栄です(delighted to meet you)」をもじった言葉。  カバーイラストはなかなかグロい雰囲気が漂っているものの、そんな洒落っ気のあるタイト…

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「禁断の魔術」

禁断の魔術 (文春文庫)東野圭吾  ガリレオ・シリーズの長編です。  このシリーズ自体は大好きなんですが、正直、長編はいまいちと言うか「それって現実的にはどうなんだろう~?」と引っかかる部分が必ずと言っていいほどあって、短編ほどには楽しめない印象です。  物理学に詳しい人が読んだら、短編のトリックも「ねーよwww」なのかもしれませんが、私は単純に「へー! そうなんだー!」などと感心しつつ読んじゃう。  それが、長編だと何だか引っかかるんですよね。素人にも理解しやすいトリックだからかな。  なので、本作も恐る恐る(笑)読み始めたのですが、今までの長編とは違…

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「竜宮電車」

竜宮電車 (徳間文庫)堀川アサコ  竜宮電車。  なんてファンタジーの香り漂う素敵な響きなのでしょう。  本作は3つの話がゆるく繋がった連作短編で、タイトルから予想されるファンタジー要素はもちろんのこと、ホラー要素もあり、しかしながら最も深く描かれているのはなかなかに苦しい人間関係だったりします。  第1話の「竜宮電車」は、ある朝出勤したら会社が倒産していた青年の話。  作者の堀川さんは実際にこういう体験をしたことがあるそうです。  本作の主人公は失業を期に踏んだり蹴ったりな状況に陥ってしまいます。  失業が原因ではないにせよ、それがきっ…

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「おちゃっぴい 大江戸八百八」

おちゃっぴい 大江戸八百八(講談社文庫)堀川アサコ  ホラー風味の時代ミステリ連作短編です。  タイトルの「おちゃっぴい」は、女だてらに剣術道場の師範代を務める巴を指していますが、それほど主人公らしい活躍をするわけでもなく、実際の物語は巴の幼馴染である青治を中心に動いていきます。  なので、若干肩透かし気味と言うか何と言うか。あれ? おちゃっぴいどこ? みたいな。  いや、内容は面白かったんです。  生きミイラの噂を追いかけて辿り着いた真相は……「怪人」  跡取りとして養子に迎えられた少年が次郎と名づけられた理由とは……「太郎塚」  江戸時代の口…

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「三人の大叔母と幽霊屋敷」

三人の大叔母と幽霊屋敷(文春文庫)堀川アサコ  予言村シリーズの3作目。  今回は3つのお話からなる連作短編集となっています。  1作目では本当に存在するのかすら怪しい感じだった予言暦。  こよみ村で起こる未来の出来事が記されているという予言暦(主人公・奈央の父親が村長になることも記されていたという)の存在が、ついに公のものになってしまいました。  しかも、予言暦に深く関わっていた人の家族が、村長さんに預けましたーと公衆の面前で言っちゃったものだからさあ大変。  未来を知りたい村民たちが奈央の家に押しかけてくる事態に。  押しかけてきたのは数名だ…

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「幻想温泉郷」

幻想温泉郷 (講談社文庫)堀川アサコ  幻想シリーズの5作目です。  これまでは1作ごとに主人公が変わっていたのですが、今回はシリーズ第1作「幻想郵便局」の安倍アズサちゃんが再び主人公として登場。  1作目では履歴書の特技欄に「探し物」と書いたことがきっかけで、この世とあの世の狭間に位置する不思議な郵便局で働くことになったアズサでしたが、あれから2年たった今作では東京のお菓子の商社で働くOLさんになっていました。  夏季休暇を利用して、かつての職場である登天郵便局を訪れたアズサを待ち受けていたのは、消える死者の謎。  成仏せずに消えてしまった人たちは生前、罪…

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「炎路を行く者」

炎路を行く者:守り人作品集(新潮文庫)上橋菜穂子  年明けに、間もなくドラマ「精霊の守り人」シーズン2が始まると知り、録画したまま放置していたシーズン1を慌てて観ました。  いや、なんかね、バルサ役に綾瀬はるかってのがね、華奢すぎるんじゃないかと思ったのですよ。  それで躊躇ってたんですけど。  カッコ良かったわー! アクションシーン、すごい!  槍さばきも見事だったし。敵のみぞおちにクリーンヒットしたパンチ、マジ重そうでした!  もっと早く観れば良かったと言いたいところですが、シーズン1の記憶が新鮮なうちに2を観られたので、これはこれで良かったか…

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