「幻想温泉郷」

 幻想シリーズの5作目です。
 これまでは1作ごとに主人公が変わっていたのですが、今回はシリーズ第1作「幻想郵便局」の安倍アズサちゃんが再び主人公として登場。

 1作目では履歴書の特技欄に「探し物」と書いたことがきっかけで、この世とあの世の狭間に位置する不思議な郵便局で働くことになったアズサでしたが、あれから2年たった今作では東京のお菓子の商社で働くOLさんになっていました。

 夏季休暇を利用して、かつての職場である登天郵便局を訪れたアズサを待ち受けていたのは、消える死者の謎。
 成仏せずに消えてしまった人たちは生前、罪を洗い流す温泉を訪れていたという手がかりを元に、その温泉がどこにあるのかを探し出すことになっちゃったのです。

 仕方なしに引き受けた調査ながら、やるからにはしっかりやろうとするアズサちゃん、えらい。
 解説でも触れられていたことですが、前作で登天郵便局に就職が決まるまで就職試験に落ちまくっていたアズサにとって、誰かから必要とされることは大きな原動力になっているのかもしれません。
 登天郵便局だって、通常の利用者は死者だけど、本当に必要としている人なら生者でも辿り着くことができるしね。

 というわけで、続編も大変面白かったです!
 終盤、アズサやアズサが出会った人々の抱える罪悪感に切なくなったりしたし、罪を洗い流す温泉が生まれた理由には眉間に皺が寄っちゃったりもしましたが、最高にピンチの場面でもちょっと笑える要素が組み込まれていたりして、全体的にはほんわかした現代ファンタジーになっています。

 前作を読んでいなくても一応大丈夫だとは思いますが、読んでいること前提で書かれている部分もあるので、読んでおくのが無難かな。
 私も意外と忘れている部分があって、あやふやなまま読み進んでしまってので、今度再読しようと思っています。
 あ、あと、シリーズ2作目の「幻想映画館」も読んでおくと、途中でニヤッとできますw(と言うか、読んでいないと意味不明な場面かも)

 余談ですが、この世の者ではない郵便局員のひとりに、パンチパーマにおねえ言葉の青木さんというおじさんがいて、今までは何となくラーメン大好き小池さんのビジュアルで脳内再生されていたのですが、今ではすっかりピコ太郎で上書きされてしまいましたw

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