2013年08月28日

「幻色江戸ごよみ」

 江戸を舞台とした12編が収録された短編集です。

 先日読んだ「宮部みゆきの江戸怪談散歩」に本書のことが出てきたので再読したのですが、前に読んだのがずいぶん昔だったおかげで大変新鮮な気持ちで読むことができました。

 本書の中の1編が「怪談散歩」に収録されているのと、タイトルの「幻色」という言葉、そして表紙イラストの姑獲鳥っぽさに惑わされて、オール怪異譚なような気になっていたのですが、明らかな怪異が出てくる話は僅かでした。
 怪異かもしれないし違うかもしれないという曖昧さを残している作品も数編で、ほとんどは現実的なお話でした。

 すごい、厳しい現実。

 どの作品も庶民、それも決して裕福ではない、むしろ日々カツカツの暮らしをしている人たちにスポットが当たっているので、読んでいてけっこうつらいです。
 ちょっと救われたような気持ちになれるのは1編だけだったなぁ。他はほとんどが読み終わったあと眉根に皺が寄っちゃう感じ。

 一番内容を憶えていたのは「紅の玉」という作品で、今回も一番印象に残りました。
 お腹の底から溜息が出ちゃうような、やるせない話。言いたくないけど、「全部社会ガ悪インダー」と言いたくなってしまいます(どっちだよ)。
 「怪談散歩」のなかで話が出てきた「神無月」という作品もやるせない話だったけど、こっちはまだ救済が透けて見えなくもないから。
 「紅の玉」にはそれがないのです。何の救いもないの。だから読んでてキツいです。そういう印象の残りかた。

 奥付を見ると初版が平成10年となっているのですが、15年前の作品とは思えません。江戸時代が舞台だからというのももちろんあるでしょうが、それだけではないと思います。
 読了後、温かな気持ちになれたりはしないけど良書です。オススメ。

posted by nakaji at 14:31 | Comment(0) | TB(0) | 読書記録>フィクション

2013年08月25日

「宮部みゆきの江戸怪談散歩」

 本書は宮部怪談の公式読本です。

 序盤は三島屋シリーズ等、物語の舞台となった場所についてのお話。
 三島屋は江戸のこの辺りにあったとか。
 回向院等、他の短編集の舞台となった場所もたくさん写真つきで載っています。「片葉の芦」が生えていたとされる堀とか、「置いてけ堀」の伝承地とか。

 中でも驚いたのが、三島屋と同業の大店として名前が出てくる「越川」と「丸角」が実在したということ。へー。

 シリーズの今後の展望についても語られていて、未読の「泣き童子」を早く読みたくなりました。文庫化早よ!

 中盤は北村薫さんとの対談。
 怪談のロジックの話がすごく面白かったです。
 なるほど、プロはこうやって怪談を分析するんだ〜みたいな。書く側としての手法の話。

 後半は四編の怪談が収録されています。
 まずは宮部さんの三島屋シリーズから「曼珠紗華」、「幻色江戸ごよみ」から「だるま猫」の二編。
 そして、宮部さんの好きな話を二編。岡本綺堂「指輪一つ」と、福澤徹三「怪の再生」。

 宮部作品以外は初読なのですが、「指輪一つ」のほうは関東大震災直後が舞台で、宮部さんも東日本大震災があった今だからこそ読んでほしいとお書きになていました。怪談だけど、怖い「怪」ではない。
 「怪の再生」は「お手本のような作品」とのことなので、そうかこういうのがお手本なのかーと思いながら読みました。気持ち悪かった。

 いや、私、怪談とかホラーとか好きじゃないんですよ。
 なぜか読んでしまうんですけど、本当は好きじゃないの。

 そんなわけで。
 本書には「幻色江戸ごよみ」についての話がたびたび出てきたので、再々読くらいになるのですが、現在読んでいるところです。

2013年08月21日

「<完本>初ものがたり」

 「初ものがたり」は宮部さんの時代物の中でもかなり好きな作品なのですが、残念なことに最大の謎が解き明かされぬままシリーズが中断してしまっていたのです。

 それが!
 なんと今回!
 文庫未収録だった3作を追加し、「完本」として帰ってきましたー!!
 うおー! もう諦めていたからすごく嬉しい〜!

 主人公である回向院の茂七親分は、別のシリーズにも名前だけとは言え出てきたりしていたので、宮部さんもこのシリーズを捨てたわけじゃないんだとは思っていました。
 でも、だいぶ間が空いてしまったので、もうないかな〜と思っていたのです。

 「完本」だし、これでシリーズ完結かしらと思いつつ読んでいたのですが、なんと最終話でまさかの新キャラ登場!
 あとがきにもまだ続けるつもりであることが書かれていて嬉しい限りです。

 最大の謎についてもこの先、明かされていくのかな。
 新作のほうに新たなヒントが出ていたりして、想像はいろいろできるわけですけど、この謎は解き明かさなくてもいいのかな〜と、再読しているうちに思うようになりました。
 現時点で茂七親分が当たりをつけているところくらいで止めとくのがいいのかなって。はっきりさせちゃうのは野暮ってものかなって。

 何はともあれ、続きを楽しみに待ちたいと思います。

 あ、そうだ。
 ブログネタが切実に枯渇してしまったので、今後しばらくは、本を読み終わったらその感想を書くという更新ペースになりそうです。
 ネタが見つかったらもちろん書きますけど。どっかにネタ落ちてないかな〜w

posted by nakaji at 14:32 | Comment(0) | TB(0) | 読書記録>フィクション

2013年08月20日

試行錯誤

 お盆休み中に家のパソコンが新しくなりまして。
 早く新しい環境に慣れるべく、いろいろと手探りで試行錯誤中であります。

キーボード

 とは言え、大きく変わったなぁと感じるのはモニタがずずんと横に長くなったのと、驚くほど速くて静かになったところ。幸いにも操作系に戸惑うことはあまりかったので、これはもう試行錯誤とかいう話ではないのですが。
 それにしても、前のパソコンだって決して遅くはなかったんですけど。と言うか、むしろかなり速いほうだったはずなんですけど。う〜ん、技術って日進月歩。

 で、今のところ一番試行錯誤してるのがGIMPです。
 インストールし直したら、追加プラグインをどのフォルダに入れていたかとかすっかり忘れちゃってて。わりと最近やったはずなんですが、きれいさっぱり忘れていて難儀しました。試行錯誤というより悪戦苦闘だったかも。
 あと、ナビゲーションまわりのフォントがなぜか明朝体になってしまって、それがもうすっごく見づらくて。紙に印刷された明朝体は読みやすいのに、モニタだとこれ以上はないってくらい見づらいですよね。
 ぐぐったら、設定ファイルの変更方法を記事にしていらっしゃるブロガーさんがおられたのでそれを参考にさせていただき、無事見やすいフォントに変更することができました。

 というわけで、今日の写真は新しいキーボード。慣れていないので、Back spaceキーを押したつもりで Insertキーをカチカチ押してしまう今日この頃です。
 これをGIMPでモノクロ&ポスタライズ加工してみました。いろいろ試行錯誤してみたイメージ(笑)

タグ: PC 
posted by nakaji at 14:47 | Comment(0) | TB(0) | 雑記>身辺雑記

2013年08月19日

「真夏の方程式」

 これまで読んだガリレオシリーズの長編、「容疑者Xの献身」と「聖女の救済」にはともに、肝心な部分で「え?」と思うことがあって、そのせいでこのシリーズの長編には軽く警戒心が働いてしまうのですが、今回もやっぱり「え?」と思ってしまいました。

 でも今回はトリック面ではなくて、心情的な部分。

 今回の事件について湯川先生が出した答え、私は全面的には肯定できないなぁ。
 難しい問題だとは思うけど、果たして本当にそれがベストだったのだろうかと考えてしまう。

 このことについては思いのたけを書き綴りまくりたいのですが、どうしてもネタバレにならざるを得ないので控えておきます。
 「続きを読む」設定にして、ネタバレ部分はそこに隠せばいいかなと思って一度は下書きをしましたが、やっぱりやめました。完全に隠せるわけじゃないし、何より我ながらネタバレがすぎるなと思ったので。

タグ: 東野圭吾 読書感想 
posted by nakaji at 14:15 | Comment(0) | TB(0) | 読書記録>フィクション